2024年4月20日、たくさんの皆様に温かいご支援・ご指導をいただき、おかげさまで一般社団法人ことばサポートネットは2周年を迎えます。
発音がはっきりしない、自分の話していることが相手に伝わらない、滑舌がコミュニケーションへの自信を失わせる、、、構音障害ではこんなことがおこります。日常生活に支障があるわけでもなく、学業や仕事に直接的な影響はないことも多いので気づかれにくいですが、本人にとっては大きなストレスになっていたり、周りに理解されにくくつらい思いをしていたりする場合も珍しくありません。
例えば仕事中、会ったことのない目上の方と電話で話さなくてはならないような場面を思い浮かべてみてください。
構音障害があることをいちいち説明できるような状況は少なく、何度も聞き返されると相手が不快になっているのではないだろうか、、、と緊張する場合もあります。
発音の障害なので、話の内容自体には何も問題がないにもかかわらず、びくびくしてしまう場合もあるかもしれません。
学校の授業で、発音のことでからかわれるかもしれないという気持ちから挙手をしにくく感じるお子さんもいます。
みんなの前で話すことに消極的になってしまう場合もあるかもしれません。
構音障害は、口唇口蓋裂などの病気が原因となっている場合もありますが、何も原因がなくても起こることがあります。
発音に不明瞭さがある場合、必ずしもなおさなくてはいけないということはありませんし、一つの個性として大切にされている方もたくさんいらっしゃいます。
一方で、なおしたいと思っている方、つらく感じていたり、仕事の都合上はっきりとした発音が要求される方がいるのも事実です。
なおしたいと思ったとき、いったいどこに相談をしたらよいのか、
「構音障害」ということばの知名度はまだまだ低く、相談先の有無にも地域差があるのが現状です。
当法人をご利用いただく方の多くが「何年もずっと悩んでいた」「どこに相談したらよいのかわからなかった」「インターネットで色々な単語で検索をしてみて、やっとたどり着きました」など、相談先を見つけるまでの苦しかった胸の内を話してくださります。
私たちは、一人でも多くの方の構音障害の悩みを解決できるよう、言語聴覚士がオンラインで発音練習を行う取り組みを続けてまいりました。2022年に一般社団法人を設立し、この二年間、たくさんの方にオンライン発音練習をご利用いただきながら、技術者の養成にも取り組んでまいりました。
どんな構音障害にもオンラインの言語療法が有効、ということはありませんし、やはり対面でなければ難しい場合もあります。それでもこの二年間、機能性の構音障害(病気などの原因がない)の方や口唇口蓋裂などの器質性の原因があって術後の構音障害への言語療法が必要な方などを中心に多くの方がオンラインの言語療法で改善を得ています。
次の一年では、
「法人のホームページにたどり着くまでに色々な所に相談をして、やっと(言語療法を)受けられる先を見つけました」「どうしたらよいかわからず何年も悩んでいました」と言いながら私たちのところを訪ねてくださるかたが一人でも減るように、活動を継続していきたいと思います。
そのために、
子育て中の方にとって一番身近な自治体の保健師の方や、園や学校の先生方から安心してご紹介いただける存在になれるように、
就学・進級や転居に伴い支援を終了せざるを得なくなった現在担当されている言語聴覚士やことばの教室の先生からいつでもバトンを受け取れる存在になれるように、
また、大人の方の身近な相談先である医師・歯科医師の先生方に信頼してご紹介いただける存在になれるように、
真摯に努力していきたいと思います。
私たちの活動は、たくさんの方の応援と、連携してくださる園や学校の先生方、保健師の皆様、医師・歯科医師の皆様、言語聴覚士の先生方のご協力で成り立っています。
お力添えいただき心より感謝申し上げます。
次の一年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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